“生(せい)”のことも、“性(せい)”のことも、言える(Say)社会で、“成”(せい)を ーWill Connectivityで出会って「Say Smile アカデミー」を立ち上げた3人

say smile アカデミーのお三方の写真です。左から柚木さん、並木さん、田原さん、と3人が横並びで写っています。

受講生の「Will」とその後

株式会社WEが各地で実施している「WBL」(Will Based Learning)の受講生が、WBLによってどのような「Will」を確立して、そしてその後の事業にどのように活かして取り組んでいるかを、受講生のインタビューでお伝えする連載記事です。
ここでは、栃木県が2021年度、2022年度に「新規事業創出プログラム」として実施した「Will Connectivity」を受講した受講生のその後を追います。

第3弾となる本稿では、栃木県庁で実施された新規事業創出プログラム「Will Connectivity」で出会い、プログラム受講後、一般社団法人「Say Smileアカデミー」を設立して活動している並木さん、田原さん、柚木さんの3人にお話を伺いました。

並木さん、田原さん、柚木さん、こんにちは。本日はよろしくお願いします。
みなさんは3人で一般社団法人を立ち上げて活動しているんですよね。どのような活動をしているか、教えていただけますか。

並木)
私たちは、3人で一般社団法人「Say Smile アカデミー」を設立しました。3人がそれぞれの得意を活かす「コラボレーティブコミュニティー」です。

共通の活動目的は、子育てしやすい環境づくりと、そこから「少子化対策」に取り組んでいこう、という点にあります。
そのベースとなっているのは、私たちの活動によって、人そのものを元気にしていこう、という想いです。

「Say Smile アカデミー」という団体の名前は「生きる」のセイ(生)、「性教育」のセイ(性)、そういうことを話していこうのセイ(Say)、そして「成長」のセイ(成)、という意味があります。

今取り組んでいるのは、「命のバトンプロジェクト」というものです。
これは、宇都宮市内の高校に通う女子高校生が生理用品を入れるためのタオル製のポーチを、初めての生理を迎える小学生の女子児童にプレゼントする、そして、受け取った子は贈ってくれた子に御礼のメッセージを返す、という交流のプロジェクトです。

お互いがお互いを見守る、という形のなかで、初めての生理という相談しにくい人生の出来事が、自然に受け入れられるようになることを目指しています。
女子児童と女子高校生の間ではあえて実名で手紙を書いてもらい、ポーチも直接受け渡してもらうのですが、このことによって相手と自分を大切に思う気持ちが芽生えて、双方の自己効力感が高まる効果もあると言われています。

みなさんはお三方とも、一般社団法人での活動を始める前から、それぞれの専門分野をもって活動されてきたキャリアをお持ちですが、それらは今の活動にどのようにつながっていますか?

田原)
私は、もともとはウェブデザイナーとして、保育園や幼稚園にデザインなどを提供して、ママや先生のサポートをしたいと考えていました。

Will Connectivityで、講師の一人の方に「田原さん自信が自分の事業を安定させることで、ママたちのロールモデルになって、サポートすることもできるのでは?」ということを言ってもらえたこと、そして、別の講師の方からは「田原さんのスキルをママたちに”教える”ということも事業の内容の一つに入れてみては」というアドバイスをもらったことで、事業の内容を新たに考えてきました。

そうしたこともあって、LINE公式アカウントの構築や配信、運用などを仕事として安定化させることができてきたので、「家にいながら働く」という私の姿を「Say Smile アカデミー」でより多くのママさんたちに伝えていくことで、「いつだって、誰だって、挑戦できる社会」という私のWillを実現していきたいと思って今は仕事に取り組んでいます。

田原由香里
一般社団法人Say Smile アカデミー
理事 Webデザイナー/ LINE公式アカウント及びLステップ運用コンサルタント。
在宅で仕事を行い、市内の保育園・幼稚園をはじめとした企業や事業へのデザイン提供や、子育てママのスキルアップのための講習などを行っている。

柚木)
私は、これまで「性」のことに取り組んできました。
その背景として、私自身、性の知識がなかったことで、これまで不妊や性被害など性のことでたくさん苦しんできたということがあります。
「人生をも左右することなのに、なぜ誰も教えてくれないの?」と強く疑問に思い、私の経験をもとに性のことをお伝えして、他の人の役に立ちたいと思っています。

当初は、助産師を目指して勉強していたのですが、カンボジアで活動した際に、女性に健康教育を実施することで乳幼児死亡率が低下することを知りました。
「知識で命が救えるんだ!!」と強い衝撃を受けたことを今でも覚えています。
そこから、女性の一生に寄り添いたい、と決意して「性教育をする助産師」を目指しました。

その後、家庭の都合もあって助産師ではなくて産業保健師として仕事をしてきたのですが、やはりどうしても母子教育、そして性教育に携わりたいと思い、ボランティアとして性教育に取り組んできました。

知人からの依頼で、性教育の講座を実施したところ、とても喜んでもらえました。
そこで、もっと多くの方に性の健康を伝えたい、と思い、公立図書館で無料性教育講座を実施したり、市内の中学校で性教育の授業を担当したりしています。

なかでも最も力を入れたいと思っているのは、(人間の一生の中で)およそ40年間も続く生理をポジティブに捉える知識とスキルを提供する、そのための初潮教育です。
「はじめての生理をブルーからハッピーに」と言っているのですが、これは、生理は女性の健康にとって重要な役割があるというプラスの面を知ってもらいたいからです。
そこで「Say Smile アカデミー」では、先程紹介したように「命のバトンプロジェクト」として、生理用品のポーチをプレゼントする交流を考えました。
はじめての生理がステキな記念日になるようにかわいいハンカチポーチをプレゼントし、生理がいつきても大丈夫と安心してもらいたい、という想いが込められたプロジェクトです。

これからも、愛をこめて性の知識とスキルを伝授し、誰もが自分らしく幸せに生きられる社会の実現を目指していきたいです。

柚木理恵
一般社団法人Say Smile アカデミー 理事
助産師。思春期保健相談士。公認心理師。産業保健師。
栃木県助産師会で性教育・相談業務、看護学校で非常勤講師として従事。
NPO法人ピルコンで、性の悩み相談に応じるメンターとしてプロボノ活動。
「Woman’s Health ゆずき助産院」を運営して、包括的性教育に取り組んでいる。

並木)
私は、これまで26年間に渡って、健康運動指導の仕事をしてきました。
健康運動のクラスで講師をしたり、個人の方向けにマンツーマン指導をしたり、また、プライベートでも家族とともにアクティブに楽しく過ごしてここまで来ました。
そのなかで、健康で生きられるって、実はすごく貴重なことなんだ、と思わされることがあって、みんなに健康の大切さ、そして、命の尊さを伝える活動をしていこうと思って、Willを受講しました。

健康運動では、体力づくりに役立ててもらうのと同時に、運動することによって幸福感を得てもらうことも重要だと思っています。
というのも、運動によって脳内ホルモンの分泌を高めて、幸福感を得るということが、現代社会で多くの人々が抱えている問題を解決するポイントになると思っているからです。
そこで、運動とマインドフルネスを組み合わせて、広めていきたいというのが今考えていることです。

「Say Smile アカデミー」としては、参加してくれた方々も講師としてそれぞれの活動を外に向かって発信していけるようなスキルを身に着けてもらうことも考えていきたいと思っています。

並木裕子
一般社団法人Say Smile アカデミー 代表理事
栃木県スポーツ推進評議員。がん専門運動指導士。
マインドフルネススペシャリスト。
「クリマフィットネス」代表として、健康運動指導を行っている。

Will Connectivity で初めて出会った3人で一般社団法人を設立して一緒に活動していくというのも驚かされました。
みなさんにとって、Will Connectivityはどのような場でしたでしょうか?

並木)
いろいろな人がいましたが、Will Connectivityではそれぞれの人がどのような特技をもっていて、どのような世界を目指しているかがお互いに理解できているので、一緒にやろう、となったときにとても進めやすいと思いました。
また、参加者もそれぞれみんなに「軸」があって、それぞれ自己を確立されていると思います。

柚木)
私以外のお二人は、会社を立ち上げようということを最初からおっしゃっていたので「いいなぁ」と思っていたところ、そんなお二人から一緒にやろうよ、と声をかけていただけて、すごく嬉しかったのを覚えています。

私一人だけの力ではできないことでも、今では、仲間ができたことで、すごいスピードで実現できるようになりました。
仲間がいることは、本当にありがたいことだな、と思います。
そういう意味で、仲間に出会えたことがWill Connectivityを受講しての最大の収穫だったといえるかもしれません。

田原)
私は「ママたちのためになにかをしたい」という動機でWill Connectivityに参加しました。
「ママたちのために」というのは今から思うとすごくふわっとした想いだったのですが、Willを受講している中で幼稚園や幼稚園に子どもを通わせているママたちのためのサービスを提供していこう、ということを考えていました。

実際に、営業活動などを始めてみると、なかなかうまくいかないこともあって、そんなときに並木さんが取り組んでいる運動指導のお仕事をママ向けにも展開していきたい、と考えていると知り、並木さんのお仕事に一緒に関わらせてもらうことになりました。
一人だとうまくいかないことも、並木さんが一緒に取り組んでくれたおかげで、私がやりたいことにも近づいてきました。

お三方それぞれの特色であるキャリアやWillが、Will Connectivityをきっかけに出会って融合し、そして一つのエネルギーを生み出しているんですね。
最後にもう一度、みなさんの「Will」を、そしてこれからの活動の展望を教えてください。

並木)
私はWill Connectivityを受講し始めた当初は、運動指導に関して考えていることが自分のWillのメインでした。
講座を受講して、こうやって一緒に取り組む仲間に出会って、触発されたことで、今は「人間そのものを豊かにしたい」という考えに、Willが深まってきました。

柚木)
私のWillは「性のタブーをハッピーに変える」です。
性をタブーではなく、肯定的に捉える意識改革をしていきたいです。
性を肯定的にとらえることで、性の健康に向き合うことができ、健全な人間関係や生きづらさの解消、幸せに生きる力を育むことができるからです。

そもそも、性教育は人権教育、こうやって幸せに生きる権利があるんだよ、という教育です。
生殖だけでなく、人権、生きることを大切に思って活動していきたいです。

ここに至るまでに、「せい」には「性」だけではなく、生きるという意味での「生」も含まれるんだということを田原さんや、他の受講生の方々と会話することで気づかされました。
生きる「生」についても考えていきたいのは、今、なかなか生きにくい社会だと思うのですが、本当にやりたいことをみんなが自由にやれる社会にしていきたいということがあります。

田原)
私のWillは「いつだって、誰だって、挑戦できる社会」です。
生きていると「〜すべき」という圧力が強いと感じることが多いのですが、そんなことに縛られないで生きていきたいという思いがあります。

というのも、Will Connectivityに参加していた他の受講生の方々をみていると、みなさんご年齢や立場、それまでの経験にとらわれずに新しいことに挑戦しようとしていて、そうした姿に刺激を受けました。
(社会像を語るときは)つい、「普通」とか「みんな~」とか、主語が大きくなってしまいがちですが、みんながみんな同じなわけではないということが大事だと思っています。
わたしたち3人だって、普通の会社などでは「規格外」とみられてしまうかもしれませんよね(一同笑い)

これからもお互いに刺激しあって、そしてとらわれずに活動していきたいと思います。

一般社団法人セイスマイルアカデミー
2023年栃木県新規事業創出プログラム「Will Connectivity」で出会った3人(並木裕子、田原由香里、柚木理恵)が2023年4月に設立。運動指導、webデザイン、性教育、という3人の経験や得意分野を活かして活動している。

公式ウェブサイトはこちら
https://say-smile-academy.studio.site/

とだっちView


3人それぞれずっと個々に行動をしてきていたので、3人で一緒に事業をやると聞いた時は驚きました!
行動力がある3人が一緒になったらもっと行動力がすごくなって、みんなが目指す世界に向かって全速力で進んでいくんだと思っています。
これからの活動が楽しみです!!

プログラムを通じて仲間ができていくのもWBLの特徴でもあるなって感じます!!
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