参加者インタビュー 関田美央さん

関田美央さん

「“発信”することで、行動を広げていきました」

●「やりたいこと」を見つける

– 自己紹介をお願いします!

関田さん(以下、関田):関田美央です。会社員をしています。

– 関田さんは、戸田の授業に参加されましたが、動機を教えていただけますか?

関田さん(以下、関田):まずシラバスに惹かれました。全部の回がおもしろそうだったのだけど、「自分自身が行動できる人間になりたい」という思いがあった。その練習になるような授業だとか、実際に働きながら行動している人が講師にくる、ということをみて、参考になることや勉強になることはないかな、と思って受けようと思いました。

– なぜ、行動したい、という思いだったのでしょうか??

関田:もともと言葉が好きで、名言も大好きでした。でも、自分のなかにインプットはしていたけれど、アウトプットをしたいと思っていました。自分が習得して入れたものを、自分なりに出していきたいなと、大学2年生くらいのときに思っていたからです。

– 授業を受ける前は、「やりたいこと」はありましたか?

関田:そこまで具体的にやりたいことや夢はなかったのですが、2年生の秋に留学するということは決まっていました。留学先でも目的をもって過ごしていきたいと考えてはいました。

その時に具体的に考えていたことは、いろんな人が共存共生できる社会にしたい、というビジョンです。オーストラリアはいろんな人が共存している国なので、そこでどのような共存がなされているのか、ということを学んだら身近なところで実践できるかなと思っていました。

もともと留学先でそういうことをやりたい、ということは目標として考えてはいました。多民族国家としてのオーストラリアに興味があったので、多文化共生といった内容で留学したいということは決まっていたのですが、具体的な行動についてはまだなかったです。

戸田の授業やメンタリングで、何か特に役立ったことや、特に印象的だったことはありますか?

関田:一番大きな軸になったのは「やりたいことを発信すれば仲間がつくれるよ」ということでした。まず声にして出さなければ、私が考えていることややりたいことはわからない。でも、こういうことをやりたいんだ、ということを言って、それが社会的に良いことであればあるほど、周りのひとたちにも伝わっていくのかなと思いました。

それは、講義を通して学んだことです。「仲間のつくりかたの図」が印象に残っています。発信するためには、伝わるように伝えないといけないという軸がある。[「りんごとみかん」のゲーム] が印象的でした。一般的な根拠があれば、自分なりの熱い思いで人を動かせるんだ、ということを学びました。

●「やりたいことを実現するプロセスを考える」

  • ご自身の「やりたいこと」を実現するために、どのようなプロセス・プランを立てましたか?

関田:留学前と留学中に見てきたことの二つがあります。

  1.  留学前

留学中に見ることと日本を比べて、どれだけ多様な社会かということをみるために、日本のことをみようと思いました。アルバイト先の保育園で、外国籍のご家庭が増えているという事実があったので、子どもたちがどんな困難を抱えているか、ということや保育園の保育士としていろんな人を受け入れるなかで、どういう工夫があるかリサーチしました。

具体的には、アンケートを実施しました。直接保育園の園長先生にお願いして、アンケート用紙を配布して、保育士の方に配って回収して考えました。戸田先生には、このときにアンケート案を見ていただいて、答えやすいような形にすることなどアドバイスをいただきました。

  1. 留学中

子どものいる場所に行きたいと思ったものの、どうやっていけばいいのかわからなかったので、発信するようにした。友達に聞いたり、授業でオーストラリアの友人に話をしたりしました。その過程で、大学で会った先生に実際に子どものいる先生を紹介していただいて、保育園を紹介してもらいました。

ただ、自分は外国から来たから簡単には入れてもらえず、ボランティア資格も必要でした。そこで、ボランティア資格(オーストラリアのヴィクトリア州)を取得してから、クラスを見せていただきました。

本当にいろいろな人が一緒に生活をしていて、今まで自分が経験してきた場所とは違うなと思いました。普通すぎて、なぜこれを研究したいと思ったんだろう、と不思議になるくらいでした。

でも、先生へのインタビューを通して教えていただいたことが、一つの答えかなと思いました。それは、“ No one is right, no one is wrong. Everbody is different.” という言葉です。みんな違うから、それでいいんだよということを教えてあげるし、その違いが伸びていくような教育をしているよ、と教えてくださいました。

  •  プロセスを考えるときや、行動するときに、それまで学んで生かされたことはどのようなことでしょうか?どんなことが役に立ちましたか? 

関田:生かされたことは、「怖がらずに発信すること」でした。死ぬところまでいくこと以外は、なんでもチャレンジしたほうがいいなと思いました。「発信だ、発信だ!」と思って話していると、リレーのように人がつながっていきました。発信というのは、言葉や行動でした。やりたいほうに向かって動いてみると、出会いがあるなと思います。

日本で授業を受けているときは、身近でありながらもまだ自分ごとではなかったのですが、半年が経って、そのときに得たたくさんのスパイスが効いてきたという感じです。

最近のスパイスは、“気づきのメモ”です。それまでも気づきはメモしていたのですが、「漠然と気づいたこと」でした。でも今は、「社会が必要としていることはなんだろう」とか「今、新しいこととはなんだろう」とか、考えています。本当に「アンテナを張る」ということがとにかく大事なので、そのときにスパイスをいただいてよかったなと思っています。

●「やりたいこと」を実現するためのプロセスを実行する

  • 帰国してからは、どのようなことを「実行・実践」しましたか?

関田:帰国後は、アンケートを実施した保育園に報告をしました。特に興味がある先生に、自分がみてきたことを伝えました。また、具体案としても日本の保育園としてもいいのでは、という案も出しました。

例えば、絵本でも女の子はお洋服が好きで男の子は乗り物、というだけではなくてその逆でもいいんだよ、と分かる本を置く、というようなことです。また、「他の子に比べて、ここが特殊なんだ」ということがわかるような方向性にできることがいいですね、といったような、自分なりに感じたことをフィードバックしました。

最後のフィードバックまで、やらないといけないなっていう感覚でやっていました。留学前・留学中・帰国後のそれぞれで、一つ軸を通したことでやりきったという感覚でした。

  • そのときの課題はありましたか??これから実行しようと考えていることはなんですか??

関田:プロジェクト自体はある意味個人プレーで、自分の興味を自分なりにどのように納得して、おさめるか、という感じでした。自分のやりたいことに協力してくださる方を見つけることはできたけれど、それを一緒にやっていこう、というフェーズにうつすことが次の課題だったかなと思います。

それは、佐渡のプログラム*で生かされたかなと思います。4人の学生で一緒に目標をもって、そのプロセスを考える、ということはチームという感じがして、規模感として気持ちの面では良かったなと思います。

  • 戸田とのメンタリングを通じて、自分自身の変化はありましたか?

関田:変わったところは、行動することへのモチベーションです。本当に小さいことからでも行動する、という教えに沿って、毎日それを意識することで行動できるようになっているかな、と思います。

行動というのは、例えば「気づきをメモする」ということも、実際にメモしてみないと頭のなかでサラーっとすぎてしまいます。でも、書いてみたことで気づきの偏りもわかるようになったり、違う視点もわかったりするようになりました。

また、発信の仕方も変わりました。4年の最後の授業でエコな活動を知ったら、人に話をしてみる。そうすると、その友人の行動が変わるかもしれない。そんなふうに、聞いて終わりだったのを人に言ってみるということをしました。足を運んでみることもあります。興味があるところに行ってみよう、と、とにかく実際に動く、ということです。

関田:また、スパイスがたくさんおりてくるようになった事です。例えば、「評論家にならない」「言うだけなら誰でもできる」といった言葉です。また、「教えてあげる、ではない」ということも大きいです。同じ目線でみて、応援していく、ということが教育だな、ということにも気づきました。「〜してあげる」ではないな、という感覚を得ました。

また、ビジョンを持つということは一貫してあります。目的をもってやらないと、何のためにやるんだろう、ということがわからなくなってモチベーションが下がります。気が入らないときは、何のために向かっているんだって思い返すと、ブレていることに気づいて、セットしなおしてみたら道が見えてくる、ということがあります。

1週間や10日、1ヶ月、と続くかわからないけれど、まず三日から、あるいは五日から始めようとして、それができなかったら大きなことは言えないよ、ということを自分に言い聞かせています。

  • 戸田の良さはなんでしょう?

関田:先生でありながら先生らしくない、という関わり方です。先生でもあるけど、社会人、先輩。飲み会では友達。気軽だからやりたいことも伝えられる。それがあるから、自分を隠す必要もなくて、そのままでいいなっていう安心感がよかったです。

自分を出していられる環境だと、ちょっとしたアイディアや「こうしたらいいんじゃない」ということを溜めずに言える、そうした安心感を得られる感じでした。

— 関田さんは、授業だけではなく複数プロジェクトを受けていますが、それらを通して得られたことはありますか?

関田:二つあります。

① 教えの軸は一緒だけど、伝え方が違ったり、毎回更新されていったりすることにすごいな、と思います。教える相手によって伝え方が違って、同じような内容の講義にいっても飽きない。その対応のしかたのすごさ、を感じました。

② 二つ目は、戸田さんが行動していて、常に“違うひと”になっていて止まらないことです。半期間だけの授業で、作り込まれた内容が繰り返されたら飽きてしまうと思うのですが、日々変化があることがわかるのですごいなと思います。口だけではなく、学生がやることの何倍も大変なことをやっている姿をみているからこそ、自分も頑張ろう、と思います。

●【さいごに】これから参加・受講を考えている方々へのメッセージをお願いします!

「自分が大学で受けた授業で一番よかったな、と思っています。人生に目的意識とかやりたいことがある人とか、やりたいことがなくても、行動してみる楽しさとか、いろんな人と出会う楽しさとか、自分が変わっていくワクワク感みたいのを感じられる授業ですよ!後悔しないです!」

*佐渡プロジェクトに関する紹介

上智大学ニュース「本学学生と佐渡市松ヶ崎小学校との連携教育事業”Dream Project”」
https://www.sophia.ac.jp/jpn/news/PR/news_sado_shima_school.html

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